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2006年3月 1日 (水)

木管尺八の歌口改造&横笛の指孔埋め加工

先月、手持ちの木管尺八(花梨)を改造しました。月末に体調を崩してお休みしていましたので、ようやくですがレポートをまとめます。
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  • 歌口に竹を埋め込む
  • 歌口、アゴ当たりの微調整(削り)
  • 指孔の調整
  • 管内と指孔の塗装(合成漆)

※注意!工作技術に自信がない方は、真似しないで下さい。改造は自己責任で!この記事を参考にして失敗したと言われても、責任は持ちません。

普通、竹製尺八の歌口には、水牛の角・象牙・エボナイトなど「適度な硬さの硬質材」を埋め込んであるのですが、木管尺八の場合は削ったそのままの状態で塗装してあるだけです。今回は、せっかく改造するのだから、ちょっと変わったことをしてみようと思い、竹の硬い部分の繊維が、息と垂直になるように歌口に埋め込んでみました。竹の横笛(篠笛)の歌口部分と息の関係を、尺八で再現してみようという試みです。

まず、歌口とアゴ当たり、指孔の大きさ調整を済ませてから、歌口の削る部分にシャープペンシルで補助線を引きました。右にある竹は、工作練習に使った尺八用竹材の端切れです。歌口に埋め込む大きさより、大きめに切り取ってあります。ヤスリで整形する予定です。
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本体の「溝」(凹部)を、切り出し小刀、精密ヤスリで丁寧に削ります。
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何度も試行錯誤しながら、「溝」と「埋め材」がピッタリはまるように、ヤスリで整形します。かなり根気が要る作業ですね。僕みたいな素人の腕では2~3時間かけて、ようやく妥協できる程度になりました。
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いよいよ接着です。木工ボンドでは少し頼りない気がしたので、昔から使っている2液混合型エポキシ接着剤を使うことにしました。2液混合型エポキシ接着剤といっても、メーカーによって性質や硬化時間が異なります。今回のように精密加工・強力接着・長年の信頼が必要な場合は、硬化時間が長めのタイプを選んだほうが良いようです。通常「ABボンド」などの名称で売られている日用接着剤は5分~10分程度で硬化しますが、接着強度や硬化後の信頼性は長時間硬化タイプより劣ります。今回使ったものは「12時間」タイプです。
(接着剤の左下にある小さい竹片を、歌口に埋め込みました。)
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よく混ぜてから、つまようじで両面に薄く塗ります。欲張って厚く塗っても、はみ出て後処理に困るだけなんですよね~。はみ出た部分の処理が楽になるように、接着面の周囲はセロテープでマスキングしておきました。
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慎重に埋め込み完了。
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接着剤の説明書には「12時間硬化」と書かれていますが、これは「まあまあ固まる時間」なので、倍以上待ってから工作を行ったほうが良いのです。エポキシに限らず、接着剤でも塗料でも、「あわてると失敗する」傾向がありますよね。待ちすぎると、今度は硬すぎて苦労することもあるようですが。
気温が低いほど硬化に必要な時間も長くなりますので、今回は2日待ってから作業再開しました。
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外に出ている部分をレザーソー(ピラニアンのこぎり)で切断。
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内側が難題ですが、今回埋め込んだのは幸いにも「竹」なので(笑)、切り出し小刀とヤスリで簡単に整形できました。(しかし、やはり「竹」ですから、油断すると大事な角までザックリ割れちゃいます。慎重に!)
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ここで吹いてみたくなるところですが、ガマンして塗装しました。管内は釣竿用の合成漆(フグ印の「新うるし」)を2回塗り、外側は「木彫オイル」(浸透性ウレタンニス)で仕上げてみました。

できあがり。かなり個性的な木管尺八になりました。
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アゴにあたる部分が「オイルフィニッシュ」(「木彫オイル」)仕上げなので、肌触りも非常にソフトになってビックリ。売られていた状態ではツヤニス仕上げだったので、ちょっと冷たくて硬い感触だったんですよ。
自分に合うように削ったわけですから、当然前より鳴らしやすくなりましたけど、音質の変化に関しては全く分かりません。上手い人に吹いてもらって感想を聞くしかないでしょうね。

全体写真です。七孔の木管で、さらに内面が黒塗りという、世界に一本だけ?の尺八になったかも。黒くて丸い小穴がカワイイ、と思いませんか?
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さて、上側にあるのは、5年以上前に作った竹の横笛で、唄用篠笛一本調子に相当します。木管尺八の改造と並行して、こちらも調整・塗り作業を行いました。
横笛のほうも筒音はDで、尺八(一尺八寸管)と同じなのですが、尺八より歌口~管尻が短いですね。おそらく、横笛のほうが管の内径が太いからでしょう(横笛内径20-19mm,尺八内径20mm-16mm)。横笛と尺八では歌口の開口端補正に差がある可能性もあります。

一本調子横笛の指孔部分の拡大です。一度あけた穴を白い樹脂で埋め戻して、新しい孔を開け直しています。
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埋め作業を行ったのは5年前の事なので写真は残っていません。国際ケミカル(Kokusai Craft)社の「ホビーキャスト Hobby Cast」という型注入用ウレタン樹脂を使いました(東急ハンズ渋谷店で購入)。粘性が低い(サラサラ)ので、流れ出さないようにマスキングテープで「底」「堤防」を作っておく必要がありますが、スキマまでしっかり埋まります。本来の用途は「型」に流し込んで人形・プラモデルを作ったりするみたいですね。硬化後はナイフで削れる程度の適度な硬さで、削り直しもラクチンです。エポキシ系樹脂・接着剤だと、固まった後もネバネバしたり、削りにくいんですよ。この写真では白いまま使っていますが、注入前に色をつけておいたり、初めから茶色のものを買えば、もっと目立たないように出来ると思います。
指孔の埋め戻しに適した材料・技法は、もっと他にもありそうなのですが、なかなかベストなものは見つからないですね~。良い方法をご存知の方、ご教示下さい。

【参考】
尺八の作り方、気柱の理論など参考になるページ

普通の竹製尺八の作り方で参考になるページ

塩ビ管尺八の作り方で参考になるページ

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コメント

岩茸さん!
すごい!
これをつくる岩茸さんもすごいけど、
この詳細なブログもすごい!
やっぱ、言語感覚ですね!
素晴らしい書き込みいつもありがとうございます!
いつかコラボできたらいいですね~

投稿 陽子 | 2006年3月 2日 (木) 22時01分

こちらにもお邪魔します。
笛の孔の埋め戻し参考になります。

唱用6本をドレミ調6本に変えようと計画した事があり、
孔位置を埋めなけれならないことに気付きそのまま頓挫しておりました。

時間を見つけて細工してみようと思います。

投稿 トム | 2006年3月 3日 (金) 20時27分

>陽子さん
コメントありがとうございます。ブログの1記事としては、やっぱり長すぎかもしれませんね~。ブログの使いこなし方、まだまだ試行錯誤中です。

>トムさん
指穴を埋めるときは、指孔部分の塗装を削って竹の繊維が少し出ているくらいの荒削り肌にしておいたほうが、樹脂がしっかり食い込むようです。
接着剤を作っている「コニシ」社の「ウッドパテS」(アクリル樹脂系エマルジョン)も、一度お試し下さい。こちらは固まるときに縮む(肉やせする)ので、穴全体を埋めるのには向きませんが、混ぜる必要が無くて手軽で安いです。私の近所のDIY店でも売っていましたので、入手しやすいと思います。
※コニシ社の「ウッドエポキシ」とは別の商品ですので、ご注意を。「ウッドエポキシ」は竹にくっついてくれないので、おすすめできません。

投稿 岩茸 | 2006年3月 3日 (金) 20時58分

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