« 「イワタケ」の生き方と地球、人間 | トップページ | 食べられる「イワタケ」 »

2005年11月20日 (日)

「ナウシカ」の「腐海」と地衣類

「ハウル」「トトロ」「もののけ姫」「ラピュタ」で有名な宮崎駿監督のアニメ映画「風の谷のナウシカ」に、「腐海」(ふかい)という「森」が出てきます。その「腐海」は「熱帯雨林のように巨大な、光合成を行うカビ」のジャングル・密林で、胞子や有毒成分を濃く含む空気がたちこめているため、人間が防毒マスクをつけずに入り込むと数分で死んでしまう(!) 危険な場所として描かれていました。
(しかしながら、その有毒成分は、「過去」の人類の文明がまきちらした有毒物質で汚された土地を、腐海の「木々」が「浄化」する活動の副作用だという設定でした。)

licheng02  1

左の写真は数年前、地学の研究旅行でカナダの五大湖沿岸に行ったとき、現地の岩場で撮影した「樹枝状地衣」です。(写真をクリックすると拡大されます。)手前左の「薄緑色のもやもや」が「地衣」で、周辺の「濃い緑色」は、スギゴケ(杉苔)の仲間です。右上の芝みたいな雑草と比べていただくと、だいたいの大きさ(5cm~10cm前後)がお分かりいただけると思います。右の写真は、現場近くの小さな湖面です。とても美しい湖沼がたくさんありました。(マジメな目的は「岩石サンプルの採取」だったんですけど、落ちこぼれ学生だった僕は、こんな写真を撮ったり水辺で笛吹いたり、してました。)

「ナウシカ」に出てくる「腐海のカビの巨木」は、こういう「樹枝状地衣」がモデルなんだろうと思います。地衣とコケが群生する岩面に踏み入ると、「ナウシカ」の世界にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えました。(写真の少年はご指導いただいていた教授の息子さんです。私ではありません)

licheng01 enlarge1

身長1mmくらいの人間が地衣・スギゴケの群落に入れば、まさに「腐海」のような、不気味ながらも自然の畏敬を感じる光景を目にすることになるのでしょう。(右側の写真をクリックしてみてください!)

風の谷のナウシカ」は「もののけ姫」の「原典」とも「原点」ともいえる作品で、「ナウシカ」を見た世代の間では、今なお「ナウシカ」のほうが、映画としてのメッセージ性、完成度ともに高いと評価されています。ビデオDVDレンタル店には必ずあると思いますし、テレビでも何度も放映されてきたロングセラーです。ぜひ、一度ご覧下さい。
徳間書店から、「原作」コミック(漫画本)全7巻も発売されています。B5版で大き目の本です。(アニメージュコミックス ワイド版)
「原作」とカッコ付きで書いたのは、「原作漫画」が未完成の状態で映画版「風の谷のナウシカ」が制作されたため、コミック版の3巻以降は映画版よりもずっと大きなスケールで、より深く物語と世界が展開していくからです。

ハイテク・バイオ技術・環境破壊の行く末に何があるのか?

「ナウシカ」で宮崎駿氏が言いたかったメッセージは、今の世界でこそ光り輝いて見えると思います。

== 参考:「風の谷のナウシカ」ファンサイト ==

風使いの村」:「ナウシカ」について、とても分かりやすく説明されています。まだ新しいサイトでイラストは少ないのが残念。
http://kazestukai.hp.infoseek.co.jp/

風の心」:きれいなイラストが、いっぱい。「ナウシカの描きかた」(Photoshop6を使ったカラー漫画イラストのコツ)も面白いです。
http://www.geocities.co.jp/Milano-Aoyama/2577/

ナウシカクイズ」:クイズと「ふしぎなイラスト」がユニークなファンサイトです。
http://ryoonet.cool.ne.jp/

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/136227/7213025

この記事へのトラックバック一覧です: 「ナウシカ」の「腐海」と地衣類:

コメント

コメントを書く