「腹式呼吸」という言葉の盲点と効用
フルート関係の掲示板の議論に参加してきました。
せっかく長文を書いたので、こちらにも記録しておきます。
「フルートには腹式呼吸が必要」「いや、無駄な力を抜くのが大事」
で議論されていたところへの私の意見です。
「フルート」を「横笛」なり「尺八」に変えてお読みいただいてもOKです。
「『腹式呼吸』が管楽器・歌唱の基本です」
「身体に余計な力を入れないこと」
私は、どちらも正しいと思います。
厳密には、「よい音を出すために必要な筋肉を効率よく使い、
必要ない筋肉はリラックスして音を響かせる」
ということなんだと思っていますから。
これはスポーツと同じで、例えばゴルフで
「腰を使って飛ばしなさい」
「無駄な力を抜きましょう」
両方正しいですよね。
ただし、「腹式呼吸」を意識することで、
「いい音を出すのに必要な筋肉に注目しやすくなる」
という効用があるから、「腹式呼吸」
という言葉が使われるのでしょう。
しかし、盲点があります。
「腹式呼吸」を心がけようとすると、
「いい音に必要な筋肉」以外の筋肉も
緊張してしまう可能性があるわけです。
この誤解を100%防ぐのは不可能です。
人間の語彙と感覚には限りがあって、
自分の肉体の全てを他人に伝えることは不可能だからです。
(たとえば「腹筋」といっても、「「腹直筋(上部)」
「腹直筋(下部)」「外腹斜筋」「内腹斜筋」…と、
4種類+記載できない細かい筋肉もあるわけです。
それぞれ、役割が違うんですよ。
どの「腹筋」ですか?なんて細かいことまで議論してたら
時間もページも足りませんよね!!)
ですから、フルートの先生や先輩が「腹筋」とおっしゃる場合、
暗黙の了解として「フルート演奏に必要な腹部の筋肉いろいろ」
を表すというのが常識ということになっていますね。
この「盲点」を分かった上で「腹式呼吸」
という言葉を使うならば、大変有用だと私も思うのです。
この場合、「腹筋が使えているか」という「部分」だけでなく、
「いい姿勢、力の配分のバランス」という「全体」にも
注意されるべきだと思います。
P.S. 「踊りながら吹く」癖は直したほうが良い、という理由のひとつに、
無駄な力を使っているから、というのがありますよね。
無駄な動きを無くして力を集中させるという点で、
スポーツや武道も同じだと思います。
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